お客様の声

茨城県 河内町 サン建設工業株式会社 山田様のご紹介

団体名・会社名
サン建設工業株式会社
お名前
代表取締役 山田 浩之様
水田住所
茨城県 河内町
代表取締役・山田浩之様(左)と専務・山田晴香様(右)

サン建設工業様は、建設(水道・道路)、農業(米作り)の2軸で事業を展開しています。今回は、代表取締役の山田浩之様にインタビューを行い、paditchとの出会いや導入から活用法、将来のスマート農業の在り方などについて語っていただきました。

建設と農業の2軸で事業展開

 

―建設と農業の2軸で事業展開されていますね。

山田様

サン建設工業とゆうゆう農園で約20人の従業員がおります。(建設と農業の)どちらかに固執している訳ではないです。

稲がある4月〜10月には農業の方に力を入れて、10月〜(翌年)3月の年度末に向けては、公共工事をメインでやらせていただいております。

 

―農業との出会いは?

山田様

元々はうちの父親の代からやっていて、最初は手伝いをしていました。父親が15haくらいやっていて、それを手伝うような形で実際は35歳くらいの時からやっていました。

 

ー異業種から農業参入のきっかけは?

山田様

高齢化で田んぼをやる人が減ってきてしまい「うちの田んぼもやってほしい」と頼まれることが増えました。やっているうちに、どんどん面積が増えていきました。(異業種と農業を展開することで)閑散期を補えるので、逆に良かったと思っています。「同年代の人に渡すより、若い人に渡した方が後々長くやってくれるだろう」ということで、当時50歳でしたので預けてもらえましたね。

 

―paditchとの出会いは?

山田様

農業EXPOです。毎年目新しい物が出ていて、毎年見に行きます。「これからの農業はこうなっていくんじゃないか」というのが分かる場所です。そこで、営業の黒田くんと会って「教えてよ」というところから始まりました。

※国際 次世代農業EXPO
IT農業、ソーラーシェアリング、6次産業化、植物工場など、農業を強くするための次世代の技術や製品が一堂に集まる展示会

 

導入後の嬉しい変化とは?

ー積極的に新しい技術を吸収されているのですね。実際に導入されてみて、いかがでしたか?

山田様

ちゃんとシステムが動くのか心配でしたし、電波のことなどで最初は上手く行きませんでしたが、笑農和さんがちゃんと良く対応をしてくれました。電波の状況を探る機械を借りたり、基地局を近くに持っていったり、外部アンテナを立てたりというのが、順番に積み重なって動くようになりました。動くようになれば「こんなに楽なことはない」と思いましたね。

 

ー実際に入れてみて、導入前と大きく変化した部分は?

山田様

労力削減を考えると、自分は他にもやりたいこともあるので機械がやってくれるならその方がいいと思いました。元々は(水田に)行ったら水がないことがあったり、水が漏れているのを見つけてなおしていました。

(導入後は)いつのまにか水が無くなりそうな時も、データを見れば水圧が下がっていくのが分かります。「ここが漏水しているからなおしてね」と従業員の人に指示をして、直してもらいます。今までは見回りに行かないと分からなかったので、そう考えると便利です。

 

ー管理の負荷が軽減されたのですね。

山田様

見回りをする回数と労力が減りました。蛇口は開けたら閉めないといけないので、最低1日2回は水田に行かないといけないです。開ける、締めるを繰り返さないといけないですが、それを機械任せでできます。

水は自分だけ使っているわけではなく、みんな(周りの農家)で使っているのでそれだけ水圧が弱くなり、思った量の水が入らないこともあります。いつのまにか水がなくなってしまうことがあって、一定の量になったら止める、一定まで下がったら開けるのは自分では出来ないですね。

 

ー手間のかかる作業を機械で自動化出来ていますね。タイマー機能は使用しているのでしょうか?

山田様

うちのパイプラインは、蛇口をひねると水が出るタイプのパイプラインです。24時間動いているわけではないので、8時〜17時の間しか回さないのがうちの考え方です。8時に空けて、水がいっぱいになったら止まる設定にしています。

 

ー貴社ならではの運用のコツはありますか?

山田様

今使っている数で管理は10箇所です。水が抜けやすい土壌もあれば、水持ちの良い土壌もあって(paditchを)使っているとその傾向が見えてきます。特徴が掴めるとデータとして残しておけますし、「この土壌はこういう特徴なんだ」というのが分かります。

ー異業種の事業もあるからこそ、負荷軽減に取り組まれているのでしょうか。

山田様

全てのことを自分1人でやれるとは思っていなくて、分業制で良いと思います。労力をどれだけかけずにやれるかだと思っていて、機械に任せています。例えば、肥料を巻くことをドローンでやらせたら、人間が(田に)入らず大変な思いをしなくていい。うちはドローンの導入も早かったです。

田んぼの中に人が入ることを極力減らしたいですし、農作業している人がより楽できると思ったら、人(新たな人材)も入りやすい。少しでも労力や1日の疲れ方を軽減できることが、これからの農業には大事だと思います。

 

 

これからの農業を目指す人へ

 

ー積極的にスマート農業を取り入れる理由は?

山田様

将来の農業を見据えると(水田の)面積がありすぎてみんなで賄えなくなると思いました。今の人間で賄おうと思ったら、機械や管理の面で労力の軽減をしていけば、面積を拡大しても作業ができます。

(新しい技術を取り入れ始めて)今年で6年目になります。肥料でいうと、1年目はヘリで撒いていましたが、2年目は失敗してしまったこともあります。そういうことを繰り返していくうち、面積を増やすためには何かを変えていかないといけない、今までのやり方ではいけないと思いました。

 

ースマート農業やpaditchを検討中の方に、何か伝えたいことがあればお願いします。
山田様

paditchの価格は、私が導入した時からずいぶん安くなっています。「今の値段で買えるのなら、やってみたらいいんじゃない?」というのは思います。まずは5台でも10台でもやってみれば「こんなに楽できるのか」と感じると思いますし、「水管理とは本当はこういうものだよね」というのが分かるようになります。品質も良くなりますし。

 

ー今回は補助金を使わずに導入をされました。その理由は?

山田様

補助金を使うと考えたら「10台ではなくて100台単位の話じゃないの?」という話をしました。もしかしたら、どこかの機会で取り入れようかなとも考えています。新しいことをやるときは設備投資をしてみないと分からないので、とりあえずやろうということで始めました。

ーpaditchの改善ポイントはありますか?

山田様

基地局と言われている部分の送信エリアがどうしても足りないことです。その基地局分が負担になる。「地区の中で協力してやりましょう」という提案もいいんじゃないかと思いますね。行政も巻き込んで一緒にやれたら、もっと使う人も増えるんじゃないかと思います。行政を巻き込めば、電気代削減や使っている水の量も増やせて、もしかしたらSDGsにも協力できるんじゃないかな。パイプラインも掛け流しとしているところもあるので、全然電気代も変わってくると思いますね。

 

ー最後に、今後のビジョンをお聞かせください。

山田様

今田んぼは70haくらいですが、(将来的に)100haくらいはできると思っていて規模拡大を進めていきます。そのために、うちの会社として「人おもい。米おもい。」があります。作業員が楽しくないと長く続かないですし、これから若い人たちにとっても将来の展望が見える農業をやっていきたいです。

 

 

 

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取材協力: サン建設工業株式会社 ホームページ

ゆうゆう農園  Instagram

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取材・執筆 堀内芳啓
撮影 安村発