お客様の声

富山県魚津市 株式会社高慶農産 高慶(こうけい)様のご紹介

団体名・会社名
株式会社高慶農産
お名前
高慶 様
水田住所
富山県魚津市
高慶農産様

スマート農業への興味が、paditch導入への後押しに

 

―paditchを導入していただいた経緯を教えてください。

昔からスマート農業や新しい機械には興味がありました。

入水、止水を管理する機械も様々なメーカーから出ていて、paditchもその一つ。

一度、集落で基盤整備事業を進めようとなったときに、自動給水栓を取り入れることを考えたんです。paditchの存在は知っていましたが、性能の部分は聞いてみないとわからないという段階。そこで、笑農和さんに連絡してpaditchの説明をしてもらえないかとお願いしました。

ちょうどその時、総務省の事業で導入費用を補助できるというお話もいただいたのですが、結局、集落営農ではすべてを管理できる人手もなく、導入には至らず…それなら個人で導入します、と手を挙げたのが始まりです。

幸いにも様々なタイミングが重なり、導入に至りました。

 

 

普段はどのように活用されているのでしょうか?

現状、取り付けられない田んぼ以外はすべて取り付け、28台が稼働している状態です。

夜、家にいる時はパソコンで各田んぼの水位状態を確認しています。水門を開けているはずなのに水位の上昇が鈍いな、とか、水位が急激に下がっているから、どこかで水漏れしているんじゃないかとなれば、水門の設定やタイマーの設定を変えてみたり。そういうところも遠隔で監視・操作できるのがいいですね。

日中、実際田んぼを見て回っているときに何か問題がありそうなら、スマホを使ってその場ですぐに対応しています。

生育を促すため、水温が上がってくる時間帯には冷たい水が入らないように、入水・止水の時間帯を考えてタイマー設定しています。

生育差をなくすためにタイマー設定を有効活用

 

―paditchの使い心地はいかがでしょうか?

使い心地はとてもいいです。特に、タイマー設定でいつでも水門の管理ができるのが、稲の生育にとってかなり有効です。自分たちが管理している田んぼは山間部にあり、ここだからこその苦労もあって。

用水路自体が細いところもあり、他の農家さんが水を入れている時間帯を避けて自分のところに水を入れようと思うと、それが夜中になってしまったりするんです。

前の日の夕方から水を入れることもできますが、そうすると、せっかく日中温まった水温なり地温がすぐに冷たい水で冷やされてしまう。それでは水口付近の稲の生育に差が出てきてしまいます。

だったら夜中、日付が変わるころに水を入れ始めたいというときに、タイマー機能があれば、寝る時間を削らずに済みます。

また、うちでは水稲のほかにダイコンも大々的に作っています。山間地ということで獣害対策や雑木林の管理など、他にもやることはたくさんあって。本当に時間がないんです…。

水管理の手間が少しでも省けるというのはありがたいですね。

 

 

 

―paditchの改善点を教えてください。

機能面で言えば、今は全開か半開の2段階しかない開閉の度合いを、もっと狭く開ける設定ができるようになればいいなと思っています。

用水によっては、水の勢いがかなり強いところもあるので、水門の開度が狭まれば田んぼへ流れ込む水勢も弱まるかなと。

これだけの装置を作っていらっしゃるので、すぐに改善されると期待しています。

これからの農業を目指す人へ

スマート農業への関心は昔からあったとおっしゃっていましたが、近年のスマート農業の広まりについてはどのように考えていますか?

ずいぶん前から、いずれ農業はスマート化されていくだろう、だったら早いうちから取り入れていったほうが有利だろうと考えていました。

25年ほど前に無人ヘリを導入し、請負でやっている農薬散布に活用しています。

最近では、直進アシストの田植機など様々な農業機械が出ていますね。そういったものは若い世代の農業への関心を高める大きな起爆剤にはなりえると思いますが、同時に農業の基礎の部分もきちんと学んでいかないと、と思っています。

いくらすばらしい機械でも、その能力を十分に発揮させるためには、機械の基本操作はもちろん、田んぼ1枚1枚の状態を知っておくことや、トラブルが起きたときなどに対応できる知識と経験が必要じゃないかなと。

そういった部分を教えられる人が減ってきているのは少し心配です。これからの日本の農業全体の課題だと思っています。

 

 

 

最後に、これから農業を目指す方へメッセージをお願いします!

先代からずっと専業農家でやってきて、私自身もいずれは家業を継ごうと考えていましたが、実はつい最近までほかで勤めていました。

出勤前や、仕事から帰ってきてから、田んぼ仕事やダイコンの出荷準備をこなす日々。大変ではありましたが、農業をやっていて辛いと感じたことはありません。

机にかじりついて集団の中でする仕事では、どうしても周りの人とのかかわりの中でストレスを感じることもあると思います。

農業は全く違う世界。自然相手だけど、そこは自分の経験でカバーできるところが多いと思っています。ストレスなく、健康にもいい!

利益を生み出せるようになればやりがいも感じられるので、なにか面白みを持って取り組める農業に出会ってください。

YouTubeで動画を配信中!

農作業の効率化を考え、常に新しいものを取り入れてきた高慶さん。それでも一番大切なのは、その人の知識や経験だと語っていたのが印象的でした。

最新の機械を使いこなすにも、裏打ちされた技術があってこそ。

そんな高慶さんの農作業の様子を撮影した動画がYouTubeにて見られます。

もともと、若手スタッフなど内輪で見てもらうために撮影したもの、とおっしゃっていましたが、農業をやっている方のタメになる動画も多数!米袋の縛り方や肥料袋の開け方など、ちょっとした農作業のコツが詰まった動画を、ぜひご覧ください。

 

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YouTubeチャンネル「kazuo koukei」

https://www.youtube.com/channel/UCHBVRd9GQy0xeUbDB1V8kqw/featured

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取材協力:株式会社高慶農産

取  材:東るに(ライター)