お客様の声

富山県高岡市 有限会社スタファーム 廣地(ひろち)様のご紹介

団体名・会社名
有限会社スタファーム
お名前
廣地 様
水田住所
富山県高岡市戸出
廣地様

離れた圃場にpaditch 60台導入!導入までの経緯

―paditchを導入していただいた経緯を教えてください。

廣地さん

今回paditchを導入した大きなきっかけとなったのは、離れた地域に15ヘクタールの圃場が増えたことです。

自分たちが管理している圃場から7キロ離れたところで、担い手さんがいなくなった田んぼを請け負うことになりました。

1年目は自分たちで水管理もしていたのですが、これだけ離れていると毎日見に行くのは正直かなりの負担。

笑農和の下村社長とは以前から面識があり、paditchが売り出されたころから装置を見させていただく機会もありました。実は僕が以前機械を扱う会社にいたこともあって、機能面についてお話しすることもあったんです。

管理面積が増えた段階で、paditch導入に際していい補助金があるというお話もしていただき導入を決意。導入するなら離れた圃場すべての水門に入れないと意味がないと思い、トータルで60台導入しました。

 

 

―7キロも離れた地域の圃場を請け負うことにした理由は?

廣地さん

戸出という地域の中で、僕たちがメインでやっている圃場は北西部の端。新しく請け負ったのは南東部の端。本当に対角にあるところなんです。

どうしてそんなに遠いところをという声もあったのですが、やはり担い手さんがいなくなって本当に困っておられたから。

離れているとはいえ同じ「戸出」。何とか僕らの世代でカバーしていけるところはしていかないと、という思いがありました。

もともと飛び地だったところを、近隣の耕作者さんに調整していただき一つにまとめてもらえたというのも大きかった。対角の端っこから来た人間を快く受け入れてくれた近隣のみなさんの協力があってこそできたことだと思います。

こんなに楽になるとは…スケジュール設定で水管理の工数が激減

 

―60台も管理するのは大変そうですが、普段はどのように活用されているのでしょうか?

廣地さん

タイマー機能や水位センサーを組み合わせてきちんとスケジュール設定できれば、管理は難しくありません。タブレット、パソコン、スマートフォンどれでも対応しているので操作も非常に楽ですね。

タイマー機能で夜水門が開くように設定できることがとてもメリットに感じています。

昼間は近隣で草刈りをする方も多く、水門に草が絡まってしまうといったトラブルが起きやすいのですが、夜であればその心配がほとんどない。

さらに、スケジュール設定ができると近隣の方との調整もしやすいです。

60ある水門を一度に開いてしまうと、ほかの田んぼに水がいかなくなってご迷惑をおかけしてしまう。だからこそスケジュール設定をきちんとして、それをもとに近隣の方と水を入れる時間帯を相談できるのがとてもいいと思います。

 

―スケジュール管理がとても大切なのですね。

スケジュール管理と近隣の方との調整は大事ですね。

paditch導入前には、ほかの圃場の方の迷惑にだけはならないように注意してと管理組合さんからお話があり、近隣の生産者さんに説明会を開いてご理解いただいたうえで設置しているんです。

ほかの生産者さんとの兼ね合いもあるので、用水の水位がある程度豊富なところじゃないと設置するのは難しいという部分もあるかもしれないですね。

 

 

実際使ってみてpaditchの使い心地はいかがでしょうか?

廣地さん

60台導入して水管理にかける工数が格段に減りました。もう1/3くらいになったのかな。ここまで楽になるとは思っていなかったです。

通常4月下旬に水を入れ始めてからは、1日1回は水を見に行く。田植えが始まれば1日2回、多いときは3回と見に行くことになる。

とくにこの圃場はメインの場所から離れていて、かつ、面積が広いから、1回見に来るだけでも1時間半かかるんです。2回なら3時間。

paditchを入れる前は、僕が時間外に見に行ったり社員に帰り際に見てもらったりしていて。そこがなくなったというのは本当に省力化につながりました。ざっくり計算しても、人1人まるっと2か月分くらいの工数が削減できたんじゃないかな。

使っていくうちにだんだん、こうすればもっと楽になるよねということがわかってきていて。もっと何かできるんじゃないかなといろいろ探っています。

 

 

―paditchの改善点を教えてください。

廣地さん

やはり自分がもともと機械の会社にいたこともあって、機能面で気になったことは都度サポートセンターにお伝えしています。

例えば、水位センサーの精度について。少し敏感すぎるのでは?と思うこともあるのですが、そこはほかに使っている農家さんの声も踏まえて改善していってもらえたらなと思います。

コスト面は導入の大きな壁ではありますが、どんどん普及していけばそこは抑えられるんじゃないかと期待しています。

 

これからの農業を目指す人へ

 

 

これからの農業について思うことを教えてください。

廣地さん

今回paditchを導入したきっかけは担い手さんのいなくなった田んぼを請け負うことだったわけですが、こういったことはこれからどんどん増えてくるんじゃないかと思っています。

僕らの上の世代の方々がやっている集落営農だって、あと5年、10年したら続かなくなってくるところもたくさんあります。そういったときに、もっと大きなエリアで一つにまとめるといった話も出てくる。

そこでスマート農業や様々な技術を活用して、省力化や人員削減しても同じだけの成果を上げられるようにするということが重要なポイントになってくるんじゃないかと思います。

 

それと同時に、跡継ぎ問題を考えなければならない。僕は、うまいことマッチングするというのもありなんじゃないかなと思っています。

よそから来た若い人にも経営を任せてもいいよと…“任せる”ということも大事だと思います。

一から農機具や設備をそろえて始めるというのは不可能に近いですから。そういった若い方を受け入れられる地域であってほしいし、そういった地域が今後残っていくのかなと思います。

 

 

最後に、これから農業を目指す方へメッセージをお願いします!

廣地さん

今年、コロナ禍で富山県内米価が2000円下がることが決定しました。米価が下がると当然、去年と同じ収量でも売り上げが下がるということです。

そんな中で、何を取り入れていくのかというのを考えるのが非常に大事になってきていると感じています。

何を取り入れたら自分のところに利益が落ちるのかというのをよく考えて作物を選んでいかないといけない。もちろんお米に付加価値をつけて販売戦略を練ることも大事ですが、僕の場合、複合経営をしていくべきだと思って人参も育てています。

農業機械はとても高価ではありますが、確実に進歩している。省力化の技術もあるし、そういったところをうまく自分の中に取り入れていくことも大切だと思います。

 

 

編集後記

 

地域の未来、農業の未来を常に考えながら自分たちの進むべき道を模索している有限会社スタファーム様。

「一般企業と同じように企業価値を高めて、いずれはほかの人に任せられるような会社にしたい。農業の経営体もそうあるべきと思っています。」という廣地様の言葉はとても頼もしいものでした。

スマート農業によってその思いを後押しできるよう、弊社もさらなる技術の向上に力を入れていきたいと思います。

 

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取材協力:有限会社スタファーム様 Facebookページ

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